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地域で支え〜

地域通貨も〜


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中矢さんが一番尊敬する人

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お年寄りの思い、家族の思い、
地域の思い・・・いろんな想いをとりこみながら
あんきはうごいています。

     

古い民家がぎっしり立ち並ぶ一角。車1台がやっと通れる道。何年も空き家だった大きな木造の家。小さな手作りの看板がなければ誰もそこが託老所とは気付かない。
中に入れば土間に、畳の部屋に、床の間。そこにある様々な小物たちも使い古されたものばかり。昔にタイムスリップしたかのような懐かしさの漂う風景。
お年寄りたちが自分の家にいるのと同じようにくつろぎながら、思い思いのときを過ごしている。

「どんなお年寄りも、当たり前に自分らしく、普通の生活を続けられる場所。そして自分もここなら入りたい、ここなら死ねるという場所。そういう場所にしたかったんです。」
「老いや死を考えることは、前向きに生きることと同じぐらい大切なこと」。 この想いが、中矢暁美さんを動かし1997年3月、たった一人で、しかも愛媛県で初の託老所、あんきを立ち上げさせた。
託老所の名前を“気楽”を意味する松山弁“あんき”としたのは、この場所をお年寄りにとって、自分の家のように安らかであんきなところにしたいとの思いを込めてのことだった。

「ここではしてはいけないことも、しなければならないこともない。おしゃべりをして、ご飯を食べてお茶を飲み、天気がよければ散歩にもいくし、汗をかけば風呂に入る。ごく普通の日常生活を送っています。だから誰が利用者で、誰がヘルパーなのか、一見しただけではわからないでしょう。でも、そういうふうに普段着で付き合えるのが一番いい福祉だと私は思っているんですよ。」

「あんき」では毎日の食事のメニューを決めることはしていない。ある日は昼食に煮魚を出そうと思っていたが、近所の漁師さんが「とれたてだから年寄りに食わせの」と、刺身を20人前くらいもってきてくれて、急遽メニュー変更。 刺身、目赤いもの煮付、蛸(これも漁師さんからのいただきもの)とわけぎ(近所の人が「とうが立ちそうだから早く食べて」ともってきてくれた)のぬた和えになった。カロリー計算も 大切だけど、新鮮なもの、季節のものを食べるほうが元気になれるのではないかと思っている。

「ふつうの暮らしのできる託老所」ということでバリアフリーという 考えも建物には取り入れられていない。築80年の家だから敷居は高いし、室内いたるところに でこぼこがある。こうした段差を1度意識していただかなくてはいけない。玄関の高い敷居をまたぐ――ささいなことでも、それが生活リハビリになる。

よく「親を他人に任せるなんて」と人は言う。しかし、時として家族は近すぎ、その人のいい時を知っているがゆえに、冷静に対処できなくなる。「家族抜きの介護なんて絶対にあり得ない。と同時に、家族だけの介護はとても苦しい。他人だからこそできることがあると思うんです」。

最近、あんきの近くにもう一軒借家をかり、夜間の託老所も開始。
 「わざわざ託老所とは別の場所を借りたのは、昼間のデイサービスからそのまま継続して利用する人も少なくないので、朝になったらさあ行くよ、夜になったらさあ寝に帰るよ、という雰囲気を醸し出すことが必要だと思ったから。生活にメリハリがないと、私たちだってボオっとしてしまうやろ。」

中矢 暁美プロフィール



 


地域通貨 いまづ


 

「元気なときはみんな、福祉や老後の問題を他人事のように考えていて、“自分だけは痴呆にならない。ポックリ死ねる”と思おうとしている。
でも、現実にはそううまくはいかない。ならばそこから目を背けるんじゃなくて、ボケても、寝たきりになってもいいような準備を今のうちからしておかなければいかんという、危機感ですかね。
地域住民が手をつなぎ、みんなで支え合っていかないと、決して在宅では死ねないんですから」

 そのことを一人でも多くの人に気づいてもらい、そして助け合いの輪を広げていくための“仕掛け”として、愛媛県の地域通貨モデル事業に申し込み、地域通貨「いまづ」を流通させることもし始めた。

 「メニューは主に日常の助け合いですが、近くに住むお習字の先生に、週1回、あんきで教室を開いてもらったりもしている。それによって半身麻痺の方が、習字への意欲に燃えてイキイキし始めたり、先生自身も手術をして以来、家にこもりっきりだったのが生きがいを取り戻すなど、双方に思わぬメリットが生まれているんです。今後は地元の中学生なども巻き込んで、世代交流をしていければともいいですね」
地域の人が、地域で、地域の人を支えていく。「あんきの存在がその一助になれるよう、とにかく頑張っていきたい」という。


あんきの想い・願いを共有してくださる皆様方の暖かいご支援、ご協力をお願いいたします。