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古い民家がぎっしり立ち並ぶ一角。車1台がやっと通れる道。何年も空き家だった大きな木造の家。小さな手作りの看板がなければ誰もそこが託老所とは気付かない。 「どんなお年寄りも、当たり前に自分らしく、普通の生活を続けられる場所。そして自分もここなら入りたい、ここなら死ねるという場所。そういう場所にしたかったんです。」 「ここではしてはいけないことも、しなければならないこともない。おしゃべりをして、ご飯を食べてお茶を飲み、天気がよければ散歩にもいくし、汗をかけば風呂に入る。ごく普通の日常生活を送っています。だから誰が利用者で、誰がヘルパーなのか、一見しただけではわからないでしょう。でも、そういうふうに普段着で付き合えるのが一番いい福祉だと私は思っているんですよ。」 「あんき」では毎日の食事のメニューを決めることはしていない。ある日は昼食に煮魚を出そうと思っていたが、近所の漁師さんが「とれたてだから年寄りに食わせの」と、刺身を20人前くらいもってきてくれて、急遽メニュー変更。
刺身、目赤いもの煮付、蛸(これも漁師さんからのいただきもの)とわけぎ(近所の人が「とうが立ちそうだから早く食べて」ともってきてくれた)のぬた和えになった。カロリー計算も
大切だけど、新鮮なもの、季節のものを食べるほうが元気になれるのではないかと思っている。 よく「親を他人に任せるなんて」と人は言う。しかし、時として家族は近すぎ、その人のいい時を知っているがゆえに、冷静に対処できなくなる。「家族抜きの介護なんて絶対にあり得ない。と同時に、家族だけの介護はとても苦しい。他人だからこそできることがあると思うんです」。 最近、あんきの近くにもう一軒借家をかり、夜間の託老所も開始。 |
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「元気なときはみんな、福祉や老後の問題を他人事のように考えていて、“自分だけは痴呆にならない。ポックリ死ねる”と思おうとしている。
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